狂言師

 どんな仕事?

日常の出来事を風刺的に描いた「喜劇」を演じる

日常の出来事などを風刺的に描いた喜劇を、言葉やしぐさで巧みに表現する伝統芸能「狂言」。その演目を演じるのが「狂言師」。主役を演じる「シテ」、脇役を務める「アド」などの役柄があり、能楽(のうがく)の合間に演じる「間狂言(あいきょうげん)」と、能楽とは別に独立して演じる「本狂言」の二通りの演じ方があります。また現在、狂言には「大蔵流(おおくらりゅう)」と「和泉流(いずみりゅう)」の2つの流派が存在していますが、流派が同じでも芸風が異なるのも特徴です。

 こんな人に目指してほしい

舞台経験のある方に挑戦して欲しい仕事

「狂言」は、大がかりな舞台装置は一切用いず、言葉やしぐさでストーリーを表現しますので、繊細で類い希な表現力が求められます。そのため、舞台経験のある方などに挑戦して欲しい仕事でもあります。また、人間くささを飾り立てずに描いた演目も多いため、人生経験の豊富さも芸の肥やしとなります。ですので「何事も経験」と思い、失敗を恐れず目標に向かって突き進むことのできる、アグレッシブな姿勢も必要不可欠です。もちろん、一人前の「狂言師」になるために、芸に身を捧げる強い決意もなくてはなりません。

 狂言師への道

養成機関での研修などを経て、
知識や技能を習得し、一人前に

狂言師の血筋を受け継いできた家系の人が、継承するのが一般的です。しかし、「狂言師」の家系でなくても、伝統芸能に携わる人材を養成する養成機関もあり、研修生として勉強し、技能や知識を身につければ舞台に立つことができます。また、研修生になれる条件は、中学卒業以上25歳未満、経験不問ということで、「狂言師」になれるチャンスはたいへん開かれており、多くの方々が研修を経て、一人前の表現者として観衆を魅了しています。また、現役の狂言師が講師でありながら入門編として気負わずにはじめられるお稽古教室などもありますので、「狂言師」の世界に興味がありながら中々踏み出せないという方は、手始めに通ってみてはどうでしょう。

この職人がつくるモノ・コト 狂言
このワザに関わる資格 特にありません
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