扇骨師

 どんな仕事?

扇子の美しい扇形を生みだす、骨づくり

京都で生まれ、今もなお日本独自の風情を宿す扇子は、コンパクトに折り畳める利便性から海外でも愛されています。そんな扇子の握った時のフィット感・開閉する時のスムーズさ、そして見栄えを左右する扇骨(せんこつ)を製作するのが扇骨師の仕事です。扇骨は、扇子を広げた際に両端となる2本の「親骨」と、その間に等間隔で連なる「仲骨」からなり、どちらの骨も漂白や磨きなどの加工を施され、仕上がります。また、扇骨をまとめる所であり、美しい扇形になるかどうかを決定づける「要」と呼ばれる穴を扇骨に開け、金属などを差し込む作業は、扇骨師の仕事の中でも一番の緊張感を伴う作業です。

 こんな人に目指してほしい

「やりがい」を感じながら、仕事に打ち込める

扇骨師は、扇面師などとは違い、決して華やかさはありません。しかしながら、扇骨師がいなくなってしまっては扇子を作ることが大変困難になるため、まさに縁の下の力持ちという言葉が相応しい仕事です。また、そうした意味では、とても意義の高い仕事といえます。ですので、「やりがい」を感じながら熱中して働きたいという方にとてもおすすめです。さらに、自らが作った扇骨を基にして生まれた扇子を通して、お客様に手作りならではの温もりや風合いを届けたいという心意気を持っていると、なお良いでしょう。

 扇骨師への道

事前に会社・工房見学をし、
本物の仕事を肌で感じる

滋賀県高島市の扇骨製造会社が、全国の扇骨(竹製)生産量の約90%を誇っています。ですので、まずは扇骨師になる前に見学を申し込み、本物の仕事ぶりを肌で感じるのも一つの手でしょう。また入社後は、おそらく修行の日々が続きますが、とにかく諸先輩方から技を盗むこと。そして、一つ一つの工程を体に覚えさせることが大事になります。

この職人がつくるモノ・コト 人形用豆扇、式服扇、夏の扇、舞扇、茶席扇
このワザに関わる資格 特にありません
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