刀匠

 どんな仕事?

個性、美意識を鋼に宿し、見る者を魅了する美しさを生む

千年以上受け継がれてきた技法で生まれる美しい佇まいが、見る者を魅了する日本刀。鋼(はがね)を何度も折り返し鍛錬し、強靭な地金(じがね)を作ることによってもたらされた鍛え肌の美しさ。刀身(とうしん/刀の鞘に収まる部分)に現れるさまざまな模様「刃紋」は、鎌倉時代から競うように独自の焼入れが行われてきた結果です。そこには、極めて高い技術だけではなく、刀匠の個性、美意識が宿っています。また、時代背景が色濃く投影されているのも大きな魅力。砂鉄が溶着した玉鋼(たまはがね)を精錬し、鍛え、鋼や鉄をつくれるのは、刀匠(刀鍛冶)にしかできない技であるため、すべての刃物職人の頂点に位置するともいわれています。

 こんな人に目指してほしい

日々鍛錬し続けられる強い精神。武士の心に触れたい方に

日本刀作りは高い技術や経験に基づく勘が求められるため、己の腕を日々磨き続け、常に上質な作品の創造を目指す強い精神力が求められます。また、鍛錬する作業場は40度以上に達するので、自制心やストイックさも持ちあわせている必要があります。日本刀は、現代においては美術工芸品としての要素が強いですが、もともと武器であり、武士の魂とまで言われていた歴史もありますので、戦国武将や武士の精神に興味があるという方にも目指して欲しい仕事でもあります。

 つる鍛冶屋への道

刀匠資格を持つ刀工に弟子入り。
作刀技術を習得し、刀匠に

まずは、刀匠(とうしょう)資格を持つ刀工に弟子入りし、約5年間にわたって作刀技術を学びます。日本刀は岐阜県が有名ですので、そちらに足を運び、刀工の技・真剣な眼差しを肌身で感じてみるのも良いでしょう。約5年後、全作刀過程を習得していると認められた場合、文化庁が年一度主催する「美術刀剣刀匠技術保存研修会」の受講資格が得られます。この研究会で、所定の課程を修了したと認定されると「修了証書」が貰えます。こうして「刀匠」として日本刀製作の承認を得られ、独立となります。

この職人がつくるモノ・コト 日本刀
このワザに関わる資格 鋳造技能士、金属溶解技能士、鍛造技能士
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